일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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どらねこかんさつき

どら猫観察記

柳田 国男

柳田 国男의 どら猫観察記(どらねこかんさつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,670자 · 12화면

아오조라 문고

二

二

ヴェネチヤの水の都で、ダニエリの旅館に久しく遊んで居た頃、番頭が何処かのおばあさんに話して居るのを聴くと、此宿の地下室はどら猫の多く居るので有名だそうである。妙な事を看板にしたもので、ホテルで呉れる小冊子にも、此事が興味多く記してある。御希望ならば御案内をしますとも書いて居る。ヴェネチヤの穴倉ならば、大抵どの位湿気て居るかも想像し得られるが、その暗い処に何十代以来とも知らず、野獣の如き猫が棲息して、其数幾何なるかも分らぬという。しかも給仕人の話に依れば、毎日一定の食物を口元の処に置いて遣るのだそうで、丸々の野ら猫でも無いが、兎に角にもう家畜のうちでは無い。

私は此話を聴いたとき、日本の客商売の家に、招き猫と称して座蒲団の上などに、猫の土偶を置く風習を考え出しておかしかった。物々しいダニエリの広告ぶりは、いつ頃から始まったか知らぬが、古くあるホテルで穴倉の中に、猫の居ないものが果して幾らあろうか。食物ばかりは其辺に散らばって、誰も可愛がって呉れる者が無ければ、結局は地下室にでも入って匿れて繁殖をするより他は無い。主人を恨み世をはかなんで、山林に遁世しようという祇王祇女の如き猫が、有ろう道理は無いからである。