후리가나로 읽는 일본 고전
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ほととぎす
ほととぎす
堀 辰雄
堀 辰雄의 ほととぎす을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,252자 · 60화면
……
「そう仰ゃられるのをこうして聞いておりますと、只もう胸が一ぱいになってきて溜まりませぬ」そう言って、頭の君はとうとう身もだえするようにその場に顔を伏せた。
「何故、そう私にはつらくおあたりになるのでしょう。まあ、そうまで仰ゃられなくとも。――いいえ、もう私はなんだか自分で自分が分かりませぬ。せめて、その簾のなかへでも入れさせていただけましたら……」
だんだん興奮してきながら、何を言っているのだか自分にも分からないような事を言い続けているように見えた頭の君は、そのとき突嗟に――どうしてもそう考えてやったとは思われないほど突嗟に――ずかずかと簾の方に近づいて、それに手をかけそうにせられた。
私はそれまでそれを半ば目をつむるようにして聞いていたが、いきなりそんな事をせられそうなのに気づくと、思わず後ずさりながら、突嗟にきっとなって、「まあ、簾に手をおかけになるなんて、何という事をなさいます?」と声を立てた。同時に私はその簾の外側から、それに近づいた頭の君と一しょに縁先きに漂っていたにちがいない橘の花の匂がさっと立ってくるのを認めた。私はその匂を認め出すと、急に自分の心もちに余裕が生じでもしたように、一層きびきびと、「夜更けて、いま頃になると、いつも余所ではそんな事をなさるのでしょうけれど――」