후리가나로 읽는 일본 고전
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むかでのあしおと
むかでの跫音
大倉 燁子
大倉 燁子의 むかでの跫音(むかでのあしおと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,542자 · 23화면
昔の事は知りませんが、私が始めて逢いました時は、そんな山気のある人のようでもなく、至って柔和な、人の好さそうな和尚さんでしたわ。でも、どういう理由か存じませんが、主人は伯父を好まなかったので、音信もせず、噂も余りいたしませんでしたの」
「表面に現われているのは、あなたのご存じの事だけです。それ以外は恐らく何人も知りますまい。しかし、私は新生寺さんから直接打ち開け話も聞いていたし、いろいろ相談も受けていた、殊に彼の身を亡した原因とも想像し得る、ある深い悩み、それについては絶えず私に訴えていられたので、――何とかして救って上げたい、と心配していたんです。お助けする事も出来ないうちに、遂々こんな事になってしまって――、実に残念で堪らないんです」
「どうして株なんかに、また手を出したものでしょうか。一度ああいうものに手を出すとそれが病み付きとなって、止められなくなるもんなんでしょうね。伯父も終いには命まで投げ出さなければならないようになって――」
「しかし、あの方のはそればかりじゃないんですよ」
と云って、彼は唇を真一文字に結び、顎髭をしごいている。伯父の死に就いて、彼のみが知る、何事かがあるに違いないのだ。