후리가나로 읽는 일본 고전
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めおとよろい
めおと鎧
山本 周五郎
山本 周五郎의 めおと鎧(めおとよろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,130자 · 24화면
武弁者の弥五郎は、おそらく半刻も安閑としてはいないだろう、屋敷をでかけるかれの気負った顔つきが、孫兵衛には見えるように思えた。これがあたりまえのはたしあいだったら、与吉郎を討ったその場で割腹するか、そうでなければ弟弥五郎を迎えて勝負したであろう。しかしそれとこれとは事情がちがうのである。このうえ弥五郎を斬る必要はすこしもないし、また与吉郎づれの命と自分をひきかえにするのもまっぴらだ。――ではいったいどうしたらよいのか。
孫兵衛は明けがたまでひとつことを考えつくした。そしてつまりはいずれとも心のきまらぬままで、向島の第を辞去した。その朝はことに霜がふかく、まだほの暗い野づらは雪でも降ったようにみえた。――とにかく、大阪へもどってみよう。とりとめもなくそう思いながら、宇治川の岸まで来たとき、いましも渡し舟がついて四五人の客があがって来るのをみた、そのなかに武士がひとりいた、孫兵衛はぎょっとしてすばやくかたわらの叢林のなかへとびこんだ、幸運だった、身を隠した刹那には「いやまさか」と思ったのだが、渡し舟からあがって来たさむらいは菊岡弥五郎だった。そう認めると、そのまま孫兵衛は叢林のなかを足にまかせて走った。