후리가나로 읽는 일본 고전
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アンドロギュノスのちすじ
アンドロギュノスの裔
渡辺 温
渡辺 温의 アンドロギュノスの裔(アンドロギュノスのちすじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,168자 · 267화면
車道は何の係りもない別の世界で、電車にしろ自動車にしろ暗がりの幕の上に映った活動写真みたいに、全く少しの音もたてずにひっそりと動いているようにさえ思えた。そこで、その薄暗い山王下あたりへ続くまことに寂しい並木のある甃石道を、うしろから青っぽい靄をふくんだ月の光に照らされながら歩いているうちに、井深君は何時しかそんな場合に似合わしい気分に落ち入って行ったのである。
と云ったところで、井深君は未だ少年の域を脱け切らない年頃ではない。毎日々々のらくらしているばかりで何一つ為事らしいものも持ってはいなかったが、それでも立派な法学士で――そんな肩書なぞは全くどうでもいいのだが――兎に角三十歳近い大人であった。併し、時々、少年になろうと云う意識は動いた。それと云うのが、井深君は恰度恋愛をしていた。それも――井深君は殊の外内気な性向で、かつ多分それ故に謹直で、ついぞ遊びもしないし、酒も飲まないし、女の噂さえも滅多に口にすることのない人間なのだが、どう云う事のはずみか井深君が屡々遊びに行く友だちの妹で、やっと十八位にしかならない少女に生まれてない恋慕の情を覚えそめていたのである。