후리가나로 읽는 일본 고전
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パンドラのはこ
パンドラの匣
太宰 治의 パンドラの匣(パンドラのはこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,644자 · 386화면
「日本一」の理想が、ふっ飛んじゃった。偉くなろうという努力が、ばからしいものに見えて来た。僕には、斎藤氏のように、あんな堂々たる牙城は、とても作れそうもないんだ。
夜は、兄さんに引っぱられて、ムーランルージュを見に行った。つまらなかった。少しも可笑しくなかった。
五月三日。水曜日。
晴れ。学校を休んで、芝の斎藤氏邸に、トボトボと出かける。トボトボという形容は、決して誇張ではなかった。実に、暗鬱な気持であった。
ところが、きょうは、あまり悪くなかった。いや、そんなにもよくない。でも、まあ、いいほうかも知れない。
斎藤氏邸の門前には、自動車が一台とまっていた。僕が玄関のベルを押そうとしたら、急に玄関の内がさわがしくなって、がらりと玄関が内からあいて、痩せた小さいお爺さんがひょいと出て、すたすた僕の前を歩いて行った。斎藤氏だ。その後を追うようにして、先日の女のひとが鞄とステッキを持って玄関からあわてて出て来て、
「あら! いまおでかけのところなのよ。ちょうどいいわ、お話してごらんなさい。」
僕は帽子をとって、ちょっとその女の人にお辞儀をして、それから、すぐに斎藤氏のあとを追って、