일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ラしのふえ

ラ氏の笛

松永 延造

松永 延造의 ラ氏の笛(ラしのふえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,706자 · 18화면

아오조라 문고

一つは温い感情、一つは冷い理性である。前者は自己の不幸に遭遇すると、しばしば烈しい悩乱となり、後者は自己の不幸に遭遇すると、しばしば孤立的な枯渇を来すものらしい。

私の眼があやまりでなくば、ラオチャンドは遂に、冷い理性の捕り児となった事を、行為の端し端しに表した。

けれども、仕合せな事に、彼れの身体の方は段々と盛り返して行った。そして、しまいには、僅かずつの歩行を医師から許されるようにさえなった。

或る月の明らかな夜である。彼れは何を思ってか、二階の物干し台へそっと一人で昇って行こうとしていた。鉄の梯子へ縋って、月光の下にうごめく彼れの後ろ姿を目撃した私は、一種危険な気持ちに打たれて、思わず、足を早めつゝ、彼れのあとを追った。(何故なら、その一週間前、施療部の一肺患者が寝台の鉄柵へ帯を懸けて、首を縊った。非常な努力を以てでなくては出来ぬ、蹲んだ儘の縊死を、この機会に私は初めて実見したのであった。)

私が台上へ達した時、ラ氏は既に東寄りの手すりへもたれかかって、遠く居留地の方を眺めやっていた。

「少し動き過ぎますね。」漸く彼れに追い着いた私は、なじる心を混ぜて、そう呟いた。