후리가나로 읽는 일본 고전
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いちしょうにんとして
一商人として
相馬 愛蔵
相馬 愛蔵의 一商人として(いちしょうにんとして)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 114,895자 · 222화면
ところが明治の末期になると電車が敷かれ電話がかかり、自転車は普及し、便利になったと思っていると今度は自動車、そのうちバスも行き渡って、その結果は今のように得意の範囲が拡がり、相当の店なれば市内一帯はもちろん郊外にも多くの客を持つ有様となり、また地方とは通信による商いもなかなか盛んになって来たのである。
さてこうなると店員のために主家ののれんを分けることは甚だ困難で、また分けて見ても分け甲斐のないものになった。昔は本店まで行けないから支店で買い、お互いにそれが便利であったのだが、今のように交通が発達し、その機関を利用しての外出は苦労ではなく、遠方の買物もかえって一つの興味となった。支店を出しても支店の前は通り越して、やはり直接本店に行って買う。これでは支店の立ち行く筈はないのである。
ことに昔は一軒の店を持つのも容易であった。店飾りなどもごく簡単で、もちろん借家に権利金もなかった。我々が本郷で中村屋を譲り受けた時なども、製造場その他いっさい付いている店が僅か七百円であった。それが今日はちょっと見込のある所は権利金だけでも数千円で、現に新宿目ぬきの場所は、間口一間当りの権利金が一万五千円から二万円という驚くべき高価に上がり、その他どこに行っても新たに店を持つことは昔よりはるかに困難となったのである。