후리가나로 읽는 일본 고전
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さんじゅうにこく
三十二刻
山本 周五郎
山本 周五郎의 三十二刻(さんじゅうにこく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,273자 · 31화면
上使として来たのは角舘の御旗本頭、柿沢壱岐介、副役は沼内市郎兵衛、沢田源十郎であった……三人とも具足に陣羽折で、上座に通ると図書の会釈を受けてから、壱岐介が、山脇長門との私闘について譴責の上意文を読みあげた。
「……但し」
末尾に至って壱岐介は声を改め、
「長門儀、一族一門を集動して取詰めたるに、その方こと上を憚り、固く門を閉して出でず、また御預けの火薬に水を注いで大事に至らざるよう手配をせし事、自分難儀の折柄、最も神妙の至と思召さる。追而江戸表より沙汰あるまで謹慎を命ずるもの也」
作法通り上意の達が済むと、壱岐介は座を退いて図書の枕辺へ膝を寄せた。
「疋田どの、お舘より傷所の養生大切にせよとのお言葉でござるぞ……よく辛抱なすった。聞けば一家七十余人で山脇一族二百幾十人を支えること三十二刻、お預りの火薬には手も着けずとはさすがでござる。山脇は恐らくお取潰しであろうが、疋田家は武名を挙げましたぞ」
「御挨拶まことに恥入る」
図書の声は震えていた。
「……このうえはただ、一日も早く切腹のお沙汰の下るよう、よろしくお計い願いたい。しょせん、初めより生きながらえる所存の図書ではござらぬ。