후리가나로 읽는 일본 고전
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さんじゅうにこく
三十二刻
山本 周五郎
山本 周五郎의 三十二刻(さんじゅうにこく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,273자 · 31화면
しかし図書は黙ってその鎮るのを待っていた……彼には一族の人々の気持がよく分っている。彼等が図書のため、疋田家の名聞のために死のうとしてきたことはたしかだ。しかしその他にもう一つ理由がある。それは秋田藩に於ける廻座と家中との長い反目不和であった。
佐竹家はもと常陸の地で四十万石余を領していたが、秋田へ転封されるに当って半地の二十万五千石に減ぜられた……その時、水戸時代に佐竹へ貢していた近国の大名十九人が、その城地を捨てて新たに秋田へ随身してきた。この人々を「引渡し廻座」と称し、家中譜代とは別格に待遇されていた。譜代の家臣たちからみれば、しかし彼等はもと降参人である。伊達や上杉や、北条、里見などの諸勢力に覘われることを怖れ、佐竹の翼下に庇護を乞うた人々である。佐竹が秋田へ移封されるに当って、もし随身しなければ改易離散に及ぶ運命にあったのだ。
――たかが食客同然の者ではないか。
家中の臣にはそういう肚があった。
ところでこれに対して廻座の人々には、自分たちがかつては、小さくとも一城の主だったという矜恃がある。それで廻座という別格の位置を楯に横車を押す事が多かった。