후리가나로 읽는 일본 고전
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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 中谷宇吉郎集 第六巻(「もくせい」ごうのなぞ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,784자 · 269화면
この時は、栗橋の堤防が決壊して、利根川の氾濫水は関東平野を南に下って東京の方に押し寄せてきた。そして桜堤の決壊によって、この大氾濫は、最後に東京の都市区域にまで及んだのである。
東京都内に氾濫が及んだようなことは、近来なかったために、政府当局及びジャーナリズムの注意が、すっかりこの方に引きつけられてしまった。それで、カスリン台風の水害というと、この大利根の氾濫だけを記憶している人が甚だ多い。しかしカスリン台風の被害は、何も利根川だけに限った話ではない。北上川もまた同時に、大氾濫を起したのである。一ノ関の町は濁流に襲われて、二階までも浸水し、その時の惨害の形見として、電話線にひっかかった藁切れがずっとあとまで残っていた。即ち電話線を没する程度にまで増水したのである。この全町を濁流の底に沈めた当時の恐ろしい洪水の姿は、いつまでも人々の記憶に残っている。
利根川の氾濫の後、常磐線が初めて通じた日の朝、私は青森から東京に着いた。亀有附近はまだ水がひかず、半ば壊れた家は、建具も全部外されて、骨だけになって傾いて建っていた。所によっては、線路を横切っている狭い排水孔から、氾濫してきたらしい所もあった。