후리가나로 읽는 일본 고전
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こじきがくせい
乞食学生
太宰 治의 乞食学生(こじきがくせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,682자 · 68화면
四月なかば、ひるごろの事である。頭を挙げて見ると、玉川上水は深くゆるゆると流れて、両岸の桜は、もう葉桜になっていて真青に茂り合い、青い枝葉が両側から覆いかぶさり、青葉のトンネルのようである。ひっそりしている。ああ、こんな小説が書きたい。こんな作品がいいのだ。なんの作意も無い。私は立ちどまって、なお、よく見ていたい誘惑を感じたが、自分の、だらしない感傷を恥ずかしく思い、その光るばかりの緑のトンネルを、ちらと見たばかりで、流れに沿うて土堤の上を、のろのろ歩きつづけた。だんだん歩調が早くなる。流れが、私をひきずるのだ。水は幽かに濁りながら、点々と、薄よごれた花びらを浮かべ、音も無く滑り流れている。私は、流れてゆく桜の花びらを、いつのまにか、追いかけているのだ。ばかのように、せっせと歩きつづけているのだ。その一群の花弁は、のろくなったり、早くなったり、けれども停滞せず、狡猾に身軽くするする流れてゆく。万助橋を過ぎ、もう、ここは井の頭公園の裏である。私は、なおも流れに沿うて、一心不乱に歩きつづける。この辺で、むかし松本訓導という優しい先生が、教え子を救おうとして、かえって自分が溺死なされた。