후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 人間豹(にんげんひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,989자 · 311화면
四方をテントで張りつめて、前の方にやっと客の顔が見えるだけの窓があいている。その窓から大きなロイド目がねをかけた白ひげのお爺さんが、天眼鏡片手にのぞいていた。
「へええ、いざりの乞食ですって? 存じませんな。この辺には、そういう乞食を見かけたことがありませんよ」
「ところが、いま僕はそいつを見たんだよ。その筋のお尋ねものなんだ。ちょっとの隙に逃げられてしまった。もしやそんな乞食が、君の店の前を走り過ぎはしなかったかね」
「存じませんな。わしはつい今しがたまで客がありましてな。人相の方に夢中になっておりましたのでね」
「そうか。いや、ありがとう」
それを最後に、明智たちは一応捜索を断念して引き上げるほかはなかった。恒川氏は警視庁に帰って浅草公園包囲の手配を講ずるために急いでいた。人々は自動車の方へ急ぎ足に引っ返して行った。
「ウフフ、もうよさそうだよ、とうとう諦めて帰ってしまった」
易断のテント張りの中で、白ひげの易者が妙な独りごとをした。すると、その声に応じて、テーブルのような台の下から、ゴソゴソ這い出したやつがある。いざり乞食だ。
乞食はいざりでもなんでもない。