후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 人間豹(にんげんひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,989자 · 311화면
だが、床屋の親方は愛犬のことなど構っていられなかった。彼自身の命の問題であった。無我夢中で反対の方角に駈け出した。走りに走って、本堂の前の交番へころがり込んだ。
「豹が、豹が……」
彼は交番のドアにすがりついて、遥か池の方を指さしながら、気違いのように叫びつづけた。
「豹」という言葉が警官を異様に刺戟した。急いで聞きただしてみると、果たして「人間豹」の出現であった。いや「人間豹」以上の大奇怪事であった。
たちまちこの事が本署に電話された。間もあらせず一隊の警官が、ピストルをたずさえて現場に急行した。だが、いかに手早く運ばれたといっても、そのあいだに相当の時間が経過している。ものものしい警官隊が駈けつけたころには、広い公園内を隅から隅まで探しまわっても、もうそれらしいものの影さえ見えなかった。
しかし床屋さんの申し立てが、決して夢や幻でなかった証拠には、彼が猛獣の姿を見た現場からほど遠からぬ木立の中に、愛犬熊公の無残に食い裂かれた死骸が、まっ赤な布屑みたいになって横たわっているのが発見された。
それにしても、いくら都会のジャングルだといって、東京の浅草公園を、熱帯動物の豹がノコノコ歩いていたなんて、あまりに突拍子もない話ではないか。