후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 人間豹(にんげんひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,989자 · 311화면
蘭子までが、どこから逃げ去ったのか、影も形もないとわかると、もうがっかりしてしまって、夢遊病者みたいな恰好で、フラフラと劇場を出た。
失望に眼もくらんで、どこをどう歩いたとも知らず、それでも無事にわが家にたどりつくと、出迎えた女中に物もいわず、家人に挨拶もせず、離れ座敷の居間にはいって、そこに取ってあった床の中へ、ころがりこんでしまった。
ああ、なんということだ。悪魔はまたしても彼の恋人を奪い去ったのだ。いずれは蘭子も、かつての弘子と同じ目にあうのであろう。いや、ひょっとしたら、彼女はもう生きてはいないかもしれぬ。
手も足も離れ離れに血みどろになった、ゾッとするような幻影が、まざまざと瞼の裏に浮かんでくる。
「おれはどうしたらいいんだ。畜生っ、おれはどうしたらいいというんだ」
血のにじむほど唇を噛んで、彼はやり場のない憤怒にもだえた。
「あいつにかかっては、警察でさえ、手も足も出ないではないか。それを、このおれに、どうすることができるというんだ。相手は人間ではない、一匹の野獣だ。その野獣がおれの恋敵なのだ。チェッ、おれはけだものを相手に、一人の女を争っていたんだ」