후리가나로 읽는 일본 고전
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いせのまき
伊勢之巻
泉 鏡花
泉 鏡花의 伊勢之巻(いせのまき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,617자 · 35화면
」
「それでは、当伊勢はお馴れ遊ばしたもので、この辺には御親類でもおありなさりますという。――」と、婆々は客の言尻について見たが、その実、土地馴れぬことは一目見ても分るのであった。
「どうして、親類どころか、定宿もない、やはり田舎ものの参宮さ。」
「おや!」
と大きく、
「それでもよく乗越しておいでなさりましたよ。この辺までいらっしゃいます前には、あの、まあ、伊勢へおいで遊ばすお方に、山田が玄関なら、それをお通り遊ばして、どうぞこちらへと、お待受けの別嬪が、お袖を取るばかりにして、御案内申します、お客座敷と申しますような、お褥を敷いて、花を活けました、古市があるではござりませぬか。」
客は薄ら寒そうに、これでもと思う状、燗の出来立のを注いで、猪口を唇に齎らしたが、匂を嗅いだばかりでしばらくそのまま、持つ内に冷くなるのを、飲む真似して、重そうにとんと置き、
「そりゃ何だろう、山田からずッと入ると、遠くに二階家を見たり、目の前に茅葺が顕れたり、そうかと思うと、足許に田の水が光ったりする、その田圃も何となく、大な庭の中にわざと拵えた景色のような、なだらかな道を通り越すと、坂があって、急に両側が真赤になる。