후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
かれはいよいよ返事に困って、少し猫背の肩をすくめながら従らに臆病らしい眼を伏せていると、それを取りなすように小坂部はしずかに言った。
「侍従どの。何をかくそう。ます穂の芒の正体はそれじゃ。まことは兼好の御坊に頼んで、その歌を書いて貰うて来ましたのじゃ。わたしも共々に頼みます。人目を忍んで、かのお人に……。のう、頼みましたぞ。」
侍従はますます迷惑した。師直の怒りも勿論おそろしかったが、ふだんから何かにつけて自分を優しく庇ってくれる小坂部がこう打ち付けて頼むのを、無下に断わるのもまた心苦しかった。もう一つには、もともと、この事件は自分が発頭人ともいうべきであって、塩冶の内室の世にたぐいなき艶色を自分がうかうかと吹聴したればこそ、師直の胸に道ならぬ恋の種を播いたので、下世話にいう「無い子に知恵をつけた」その責任は自分にもある。勿論それに対してどんな返しをよこそうとも、それは相手の心次第で、自分は唯その使いを勤めさえすればいいのであると、かれは結局多寡をくくって素直にその役目を引き受けることになった。師直は当座の引出物として、かれに色ある小袖ひと重ねと練絹ひと巻とを取らせた。