후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
小坂部伝説
わたしは帝劇のために「小坂部姫」をかいた。それを書くことに就いて参考のために、小坂部のことをいろいろ調べてみたが、どうも確かなことが判らない。伝説の方でも播州姫路の小坂部といえば誰も知っている。芝居の方でも小坂部といえば、尾上家に取っては家の芸として知られている。それほど有名でありながら、伝説の方でも芝居の方でもそれがはっきりしていないのである。
まず伝説の方から云うと、人皇第九十二代のみかど伏見天皇のおんときに、小刑部という美しい女房が何かの科によって京都から播磨国に流され、姫山――むかしは姫路を姫山と云った。それが姫路と呼びかえられたのは慶長以後のことで、むかしは土地全体を姫山と称していたのを、慶長以後には土地の名を姫路といい、城の所在地のみを姫山ということになったのである――に隠れて世を終わったので、それを祭って小刑部明神と崇めたというのであるが、それには又種々の反対説があって、播磨鑑には小刑部明神は女神にあらずと云っている。播磨名所巡覧図会には「正一位小刑部大明神は姫路城内の本丸に鎮座、祭神二座、深秘の神とす。」とある。それらの考証は藤沢衛彦氏の日本伝説播磨の巻に詳しいから、今ここに多くを云わないが、まだ別に刑部姫は高師直のむすめだと云う説もあって、わたしはそれによって一篇の長編小説をかいたこと