일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면

아오조라 문고

何分にも暗いので、礫のぬしと闘うことが出来なかったのであると弥兵衛は残念がった。もう大方は灰となっている焚火をかき散らして、かれらはあり合う枯枝をそれに積みかさねると、火は再び勢いを得て、何かの秘密をつつんでいるような古い辻堂を紅く照らした。堂の前には権右衛門と新九郎とが口からおびただしい泡をふいて死んだ蟹のように倒れていた。二人はもう息がなかった。

「姫と采女とを取り逃がし、あまつさえ大勢の手負いや死人を出しては、屋形へ戻って申し訳があるまい。」と、弥兵衛は大息をついた。「もう一度引っ返して追わねばならぬぞ。」

ほかの者どもは顔を見あわせているばかりで、すぐに返事をする者がなかった。そのおびえたような顔色を苦々しそうに睨みながら、弥兵衛は枯枝の一つを把って先きに立つと、ほかの者共もよんどころなしに付いて行った。坂東育ちの猛者と誇るかれらも、眼に見えない怖ろしい礫にはひどく脅かされたらしく、不安ながらに再びあゆみ出すと、そこに脳天を砕かれたのや、真っ向を割られたのが四、五人も倒れていた。ほかにも傷ついて唸っているのがあった。

姫や采女の姿はそこらに見えなかった。