후리가나로 읽는 일본 고전
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集(へいけがに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,094자 · 411화면
た。
白旗山はかの姫山と同じく、赤松の一族が楯籠っていた城址である。将軍義教を弑した赤松満祐はこの城に籠って都の討っ手を引き受けたのであるが、結局は滅亡の悲運に陥って、逆臣の城は焚かれてしまった。その城址を誰も修理する者もないのみか、焼け残った本丸の百畳敷には、赤松一族の亡魂があらわれるというので、めったに近寄る者もなかった。獲物をあさり疲れた兄弟は、この城址へ蹈み込んで狐や狸の穴を探していると、冬の空はいよいよ暗くなって、大きい霰が音を立ててさっと降り出して来たので、二人もさすがにうろたえて、一時のかくれ家を求めるために、焼け残りの本丸へ逃げ込んだ。
「ずいぶん荒れ果てたものじゃな。」と、兄の藤次郎はうす暗い建物の奥を透かしながらささやいた。
「それも道理じゃ。」と、雉六はうなずいた。「赤松殿がほろびたのは俺が生まれぬ前のことで、もう二十幾年のむかしになる。その以来、手入れをせずに荒れ朽ちるがままに捨ててあるのじゃから、こうなるも是非があるまいよ。」
かれらもこの本丸に入り込んだのは今日が初めてであった。幾分の好奇心も手伝って、二人は霰の晴れるのを待つ間に、朽ちかかった大床づたいに奥の方へそっと忍んで行った。