일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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やつがたけとざんき

八※[#小書き片仮名ガ]岳登山記

亀井 勝一郎

亀井 勝一郎의 八※[#小書き片仮名ガ]岳登山記(やつがたけとざんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,639자 · 12화면

아오조라 문고

油断していると忽ち霧にまかれて、どこへ連れて行かれるかわからぬ。そういう恐怖感をこの山はいつもひそめているようだ。霧は甚だ暗示的なものだ。暗示的であることによって人を迷わせる。

どの山と山を八※岳というか、これは地域によってちがうらしいが、西岳、編笠岳、権現岳、阿弥陀岳、赤岳、横岳、硫黄岳、天狗岳等を普通指すらしい。私は八※岳の中の半分を縦走したわけである。その中のひとつに登るだけでも大変だ。一つ一つ変化にとんでいる。そしてこれらの山と山とのあいだはすべて深い谷であり、霧が絶えず湧き上っている。

ふしぎなことに、むしろ当然のことと言っていいだろうが、自分の登った山は今度はその近くを通るとき、今までとはちがった親しみをもって眺めるものだ。自分の肉体がその山肌にじかにふれたという実感、つまり山と私との関係がひとつのものとして感ぜられるのである。ただ眺めていたときとはちがうその山の山肌の匂いといったものが、自分の体内に吸収されたという親しみである。

しかし私はくりかえし、あちこちの山へ登りたいとは思わない。登山は私の肉体にとっては相当の苦痛である。やはり遠近から眺めていた方が無事のようにも思われる。