후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけとざんき
八※[#小書き片仮名ガ]岳登山記
亀井 勝一郎
亀井 勝一郎의 八※[#小書き片仮名ガ]岳登山記(やつがたけとざんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,639자 · 12화면
山と私
山と私
私は北海道の南端の海辺に育ったので、若いときから山国というものが大へんめずらしかった。
北海道も石狩平野から奥へすすむと山国同様だが私はその地方は殆んど知らない。朝夕に津軽海峡を眺めて暮してきたので、周囲の全部が山また山という風景に接すると異様な感じを与えられる。初夏のみどりで全山が蔽われ、眼にうつるもの悉くみどりといった中で、私は目まいしそうな状態になることがある。濃厚な葉緑素が身体にしみいって、酔ったような気持になる。
はじめてそういう経験をしたのは高校時代で山形であった。最上川の上流、馬見※崎川のほとりに盃山という丘があるが、そこへ登ると、はるかに朝日岳、湯殿山、羽黒山、月山などがのぞまれた。私は高校時代に一度だけ蔵王山に登ったことがある。新緑に蔽われたこの山の中腹から、はるか遠くに白雲を頂いた鳥海山を眺めたときの印象は、いまもなお残っている。
学校を出て、東京に住むようになってから、私は山など殆んど忘れていた。私の住む武蔵野からは、遠く秩父連山がみえ、場所によっては富士山もみえるが、それは単にみえるというだけで、私の関心をそそることはなかった。