후리가나로 읽는 일본 고전
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くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
山本 周五郎의 内蔵允留守(くらのすけるす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,082자 · 24화면
然し虎之助は、自分の気持がいつか少しずつ変ってきたことに気づいた、内蔵允に秘奥を問おうとする目的は動かないが、それよりも先に、そしてもっと深く、閑右衛門老人から学ばなければならぬものがあるように思う……、それが何であるかという事は口では云えない、然し老人の静かな挙措や、なんの奇もない平板な話題のなかに、虎之助が求めている「道」と深く相繋がるなにかが感じられるのだ。故郷にいたとき師の近藤斎が、よくこういうことを云った。およそ此の道を学ぶ者にとっては、天地の間、有ゆるものが師である、一木一草と雖も無用に存在するものではない、先人は水面に映る月影を見て道を悟ったとも云う、この謙虚な、撓まざる追求の心が無くては、百年の修業も終りを完うすることはできない。虎之助は毎もその言葉を忘れなかった、そしていま老農夫閑右衛門の中に、師の言葉の真実を彼は認めたのである。内蔵允の鞭を受けるまえに、この老農夫と出会ったことは仕合せであったという気がするのだ。
十三夜の宵であった。川原の月が美しかろうというので、虎之助ははじめて奈美と一緒に、老人の許しを得て家を出た。すっかり穂になった芒の原には、もう夜露が光りの珠を綴っていた、径の左右は溢れるような虫の音であった。