일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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とねがわのあゆ

利根川の鮎

佐藤 垢石

佐藤 垢石의 利根川の鮎(とねがわのあゆ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,875자 · 10화면

아오조라 문고

冷烈の水に、その紅が映って美しい。その風景が今もなお、私の眼底になつかしく残って忘れられない。

今はもう六十歳に近い私の老妻も、私の村から利根の流れを隔てた対岸から、私の家へ嫁にきた。妻は嫁にきた当時、朝な夕な東の田んぼへ出ては利根の大きな流れを挟んで、遠く霞む自分の生まれた村の林を望んでは涙ぐんだ。私は、その妻の後ろ姿を幾度も見た。それも今は想い出である。

子供が生まれて妻は、襁褓を籠に入れて利根の河原へ洗いに行った。私の子供らは、利根の清流に洗った襁褓で育ったのである。妻は、寒中の酷烈な北風が吹く日でも襁褓を持って利根へ行った。手の甲が真っ紅に膨れて、幾筋ものヒビが深く割れ込んでいた。

大正の終わり頃から昭和のはじめころまで、私は報知新聞の前橋支局に主任として働いていたことがある。働いていたといえば、なかなか体裁はいいが、実は模範的のなまけ主任であった。現在、『つり人社』の専務の役を担当している東明行彦君、読売新聞の整理部長を勤めている木村幹枝君、日本窒素株式会社の常務取締役である上野次郎男君など、当時大学を卒えたばかりで、東京から前橋の支局へ支局員として赴任してきた。