일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かわいいやま

可愛い山

石川 欣一

石川 欣一의 可愛い山(かわいいやま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 98,791자 · 196화면

아오조라 문고

小仏峠、長尾峠、十国峠、三国峠、徳本峠、針ノ木峠……即座に思い出す秋の峠のいくつかである。

小仏峠は東京から日帰りが楽なので、何度か行った。浅川からも越え、与瀬からも越えた。春秋夏冬、季節にかかわらず訪れたが、秋は麓のおとぎり草、中腹の梅鉢草、頂上近くの松虫草、また美女谷へ下りる急坂が、雑木紅葉してあけびが口をあいていたのは晩秋の思い出である。

長尾峠の秋の一日は、あいにくの雲で富士は見えず、その上御殿場へ下る途中、猛雨に襲われた。バスが来る迄、橋の下で雨をさけようという人や、用心よく持って来た雨外套を小松の枝にかけ、その下にかたまり合えば三、四人は濡れずにいられるという人や、十人に近い一行が、めいめい勝手なことをいったが、結局一同ぬれ鼠で御殿場に着き、駅前の旅館で衣服をかわかした。丁度東京では早慶戦が行われていて、ラジオが興奮しきった声を立てていた。

十国峠はあたたかい枯草の香と海の色。三国峠は法師温泉の朝の冷たい水と囲炉裏の焔、温泉の端れの橋は霜、登りにかかる林道は露がしげかった。峠は猛烈な霧が越後側から捲き上げて、苗場山は見えなかったが、その霧の中へ、いわば遮二無二とび込んで、二十町下の浅貝は、明るすぎる秋の日の中に、うら悲しい灰色の姿を浮せていた。