일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

永井 荷風의 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇(あづまばし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,586자 · 159화면

아오조라 문고

そして彼はこの目的の為には職務に対する忠誠の心を失ってはならない。善行には必ず善果のあるべき筈のものだと信じていた。

ところが戦争はその所信を空しくした。国民の生活は覆され、個人の私産は封鎖されてしまった。しかし彼はなお葛飾区立石町に建てた家屋だけ空襲の災に罹らなかった事を、焼けて家を失った人達の不幸に比較して、無上の幸福だと諦めるだけの余裕を失わなかった。一人息子の戦死した悲しみも事々しく人に向っては語りもしなかった。三十年連添った老妻浜子の病死もまた人間夫婦の生涯には、その中の一人が必経験せねばならないものと諦めをつけていた。

*   *

臼木はふいと暗闇の中に七十二歳まで生きていたその父の面影を見た。父はその配偶者が六十で死んだ一周忌の来ない中に、その後を追って行った。臼木がまだ専門学校在学中のことであったから何十年かの昔である。臼木は父の老後に生れた孫のような子で、早く生れた兄や姉も一人二人あったのだが、その人達はいずれも老父より先に死んでいた。

老母の病が危篤だという国元からの電報を受取り、東京から急行列車で馳けつけ、やっと葬式の間に合ったのであるが、その時来合せた親戚達が男の年寄というものは、長年連添った老妻に先立れると、それから後一人で長く生残るものはまず少いのが通例である。