후리가나로 읽는 일본 고전
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
永井 荷風의 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇(あづまばし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,586자 · 159화면
馬力が一台来かかったが二人の様子には見向きもせずに行ってしまった。おかみさんはふとこの間、隣に住んでいる年寄が洗湯からかえって来て話をしている中にころりと死んでしまったその場の事を思出した。
「やっぱりお陀仏だ。」
暫くあたりを見廻していたが、忽ち何か思いついたらしく背負い直したズックの袋をまたもや地におろし、婆さんの包と共に辻堂の縁先まで引摺って行き、買出して来た薩摩芋と婆さんの白米とを手早く入れかえてしまった。その頃薩摩芋は一貫目六、七十円、白米は一升百七、八十円まで騰貴していたのである。
おかみさんは古手拭の頬冠を結び直し、日向の一本道を振返りもせずに、すたすた歩み去った。
道はやがて低くなったかと思うとまた爪先上りになったその行先を、遥向うの岡の上に茂った松林の間に没している。その辺から牛の鳴く声がきこえる。おかみさんは息を切らさぬばかり、追われるように無暗と歩きつづけたので、総身から湧き出る汗。拭いても拭いても額から流れる汗が目に入るので、どうしても一休みしなければならない。今からあんまり無理をすると此方も途中でへたばりはしまいかと思いながら、それでも構わず、時には轍の跡につまずきよろめきながらも、向に見える松林を越すまでは死んでも休むまいと思った。