후리가나로 읽는 일본 고전
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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
永井 荷風의 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇(あづまばし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,586자 · 159화면
冬日の窓
○
窓の外は隣の家の畠である。
畠の彼方に、その全景が一目に眺められるような適当の距離に山が聳えている。
山の一方が低くなって樹木の梢と人家の屋根とにその麓をかくしているあたりから、湖水のような海が家よりも高く水平線を横たえている。
これが熱海の町端の或家の窓から見る風景である。九月の初からわたくしは此処に戦後の日を送っている。秋は去り年もまた日に日に残少くなって行こうとしている。
しかしわたくしの室にはまだ火鉢もない。けれども窓に倚る手先も更に寒さを感じない。日は眼のとどくかぎり、畠にも山にも空にも海にも、隈なく公平に輝きわたっている。思返すと、空の青さは冬になってから更に濃く更に明くなり、山は一層その輪廓を鮮かに、その重なり合う遠近と樹林の深浅とを明かにしたように思われる。初め熱海の山は樟と松のみに蔽われているように見られていたが、冬になってから、暗緑の間にちらほら黄ばみを帯びた紅葉の色が見え初め、日に増しその範囲がひろくなるにつれてその色もまた濃に染められて行く。
目近く、窓の外の畠に立っている柿の紅葉は梅や桜と共にすっかり落ち尽し、樺色した榎の梢も大方まばらになるにつれ、前よりもまた一層広々と、一面の日当りになった畠の上には、大根と冬菜とが、いかにも風土の恵みを喜ぶがように威勢好く