후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじょう
地上
島田 清次郎
島田 清次郎의 地上(ちじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 175,250자 · 350화면
すると後ろで不意に綾子を擲りつけるものがあった。それは兄の容一郎が、青ぶくれのした大きい頭を重そうによち/\歩みよって、お光だと思って綾子を擲りつけたのであった。しかし次の瞬間容一郎はそれが綾子であったことを発見して蒼くなって立ち竦んでしまった。お光に対して生来強者である彼は綾子に対してはまるで弱者であったのだ。彼はお光の穏やかな哀れを乞うような涙の代りに、綾子の恐ろしい侮蔑の眼光を得ねばならなかった。「容一郎の馬鹿!」それはお光が年とってからも忘られなかったほどに恐ろしかった。無論容一郎は力を限りに泣き出したのであった。こうした三人の子供を育てて行かねばならないお里も可哀そうであった。お光はよく奥の薄暗い納戸の蔭でお里がしょんぼり涙ぐんでいるのを見た。お光が年をとってからお里が「お前さんの父はわたしを一度でも本気に愛したことがあるのだろうかしら。一度でもあるならわたしだって一度位は自分の子を生んでもよさそうなものだのに――」と言ったことがあった。「お信さんは生んでくれたのだわね。わたしは育てる方の役目らしいのね。ほんとにお前さん達は母親を二人もった果報者というわけだったのね」