후리가나로 읽는 일본 고전
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じょうちゅうのしも
城中の霜
山本 周五郎
山本 周五郎의 城中の霜(じょうちゅうのしも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,828자 · 26화면
隔ての障子の中では、井伊直弼が頻りに、右の襟首へ手をやっては眉を顰めていた。肥満した、脂肪質の彼は、二三日まえから襟首に出来ている面皰が、着物の衿に触れては不快な感じを伝えるので、そのたびに手をやって揉み出そうとするのだが、小豆ほどもある脂肪の塊を包んだ皮膚は、指で圧迫する毎に鋭く痛むだけで、いっかな口を明こうとしないのである。……九時の土圭が鳴った。そして間もなく、御同朋頭が町奉行石谷因幡守の参入を報じた……直弼は頷いて、引寄せてあった火桶を押しやった。因幡守穆清は蒼白い痙攣ったような表情をしていた。彼が大老の前に着座すると共に、若年寄の部屋も老中部屋も、廊下の隅々までがひっそりとなり、今までの静けさとは違った更に底寒い沈黙に包まれるのが感じられた。
「御裁決の罪人の処刑を終りました」
「……御苦労」
「飯泉喜内、頼三樹三郎」
そこで穆清は口を噤んだ。直弼は太い眉の下にある大きな眼で、ひたと穆清の顔を見下ろしたまま黙っていた……然しその息詰るような沈黙は、間もなく直弼の韻の深い声で破られた。
「それだけか、もう一人あった筈だ」
「…………」因幡守は眼を伏せた。