일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なつのはな

夏の花・心願の国

原 民喜

原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면

아오조라 문고

すると、妹は、「逃げることばかり考えてどうするの」と、これもまた意地のわるいことを云うのであった。

四月三十日に爆撃があったきり、その後ここの街はまだ空襲を受けなかった。随って街の疎開にも緩急があり、人心も緊張と弛緩が絶えず交替していた。警報は殆ど連夜出たが、それは機雷投下ときまっていたので、森製作所でも監視当番制を廃止してしまった。だが、本土決戦の気配は次第にもう濃厚になっていた。

「畑元帥が広島に来ているぞ」と、ある日、清二は事務室で正三に云った。「東練兵場に築城本部がある。広島が最後の牙城になるらしいぞ」そういうことを語る清二は――多少の懐疑も持ちながら――正三にくらべると、決戦の心組に気負っている風にもみえた。……「畑元帥がのう」と、上田も間のびした口調で云った。

「ありゃあ、二葉の里で、毎日二つずつ大きな饅頭を食べてんだそうな」……夕刻、事務室のラジオは京浜地区にB29五百機来襲を報じていた。顰面して聴いていた三津井老人は、

「へーえ、五百機!……」

と思わず驚嘆の声をあげた。すると、皆はくすくす笑い出すのであった。

……ある日、東警察署の二階では、市内の工場主を集めて何か訓示が行われていた。