후리가나로 읽는 일본 고전
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なつむしあんどん
夏虫行燈
吉川 英治
吉川 英治의 夏虫行燈(なつむしあんどん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,200자 · 37화면
二
二
海野甚三郎は、そうした折へ、忽然と、帰って来た。甚三郎は、長崎へ遊学していた者である。新しい蘭学も、西洋兵学も、砲術も、あらゆる新知識を蓄えて帰って来たばかりか、家すじも、平四郎と比較にならないし――何よりは又、彼は美貌で挙止も正しく、品行もよかった。
(甚三郎様、甚三郎様)
萩井家の家族たちは、皆、彼の知識や新しい話に傾倒した。
わけて、お小夜は、彼に依って、蕾の春を、訪れられたように、急に、容子まで変って来た。
そのうちに、間もなく、甚三郎は正式に、縁談を持ちこんだらしい。異議なく纒まって、この五月には挙式を――と云う噂だったが、十太夫がふと病床に就いたので、秋までに延期されたのだった。
だが。
平四郎にとっては、延びようと、何日になろうと、それはもう、萩井家から云わせても、関りのない他人でしかない。
生憎と又、平四郎の住居は、萩井家の崖下で、心の外に置こうとしても、何かにつけて、崖上の屋敷の様子は、手に取るように映るのだった。
未練がましく、近くに住んで居たくないとは、重々思う事であったが、崖下の番衆長屋は、いわゆる組屋敷で、勝手に転居する事も許されない――