후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,172자 · 206화면
もっとも、神酒、二汁、三菜、それに一泊を願いたし。これはその年の二月に伊那南殿村の稲葉家から届いた吉辰申し合わせの書付の中の文句である。お民はそれを先方から望まれるとおりにした上、すでに結納のしるしまでも受け取ってある。それは帯地一巻持参したいところであるが、間に合いかねるからと言って、白無垢一反、それに酒の差樽一荷を祝って来てある。これまでにお粂の縁談をまとめてくれたのもほかならぬ姑おまんであり、その人は半蔵にとっても義理ある母であるのに、かんじんのお粂はとかく結婚に心も進まなかった。のみならず、この娘を懇望する稲葉家の人たちに、半蔵の戸長免職がどう響くかということすら、お民には気づかわれた。そういうお民の目に映る娘は、ますます父半蔵に似て行くような子である。弟の宗太なぞ、明治四年のころはまだ十四歳のうら若さに当時名古屋県の福島出張所から名主見習いを申し付けられたほどで、この子にこそ父の俤の伝わりそうなものであるが、そのことがなく、かえって姉娘の方にそれがあらわれた。お民は、成長したお粂の後ろ姿を見るたびに、ほんとに父親にそっくりなような娘ができたと思わずにいられない。