후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,172자 · 206화면
頼んで置いた軽尻馬も来た。馬の口をとる村の男はそれを半蔵の家の門内まで引き入れ、表玄関の式台の前で小付け荷物なぞを鞍に結びつけた。
「お母さん、暮田さんのお立ちですよ。」
と娘に呼ばれて、お民も和助(半蔵の四男)を抱きながらそこへ飛んで出て来る。
「オヤ、もうお立ちでございますか。中津川へお寄りでしたら、浅見の奥さん(景蔵の妻)へもよろしくおっしゃってください。」
とお民は言った。
半蔵はじめ、お民、お粂から下男の佐吉まで門の外に出て馬上の正香を見送った。動いて行く檜笠が坂になった馬籠の町の下の方に隠れるまで見送った。旧本陣の習慣として、青山の家のものがこんなに門の前に集まることもめったになかったのである。その時、半蔵は正香の仕えに行く賀茂両社の方のことを娘に語り聞かせた。その神社が伊勢神宮に次ぐ高い格式のものと聞くことなぞを語り聞かせた。平安朝と言った昔は、歴代の内親王が一人は伊勢の斎の宮となられ、一人は賀茂の斎の宮となられる風習となっていたと聞くことなぞをも語り聞かせた。
正香も行ってしまった。例のように半蔵はその日も万福寺内の敬義学校の方へ村の子供たちを教えに出かけて、相手と頼む松雲和尚にも前夜の客のことを話したが、午後にそこから引き返して見ると、正香の立って行ったあとには名状しがたい空虚が残った。