일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おおしまができるはなし

大島が出来る話

菊池 寛

菊池 寛의 大島が出来る話(おおしまができるはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,856자 · 20화면

아오조라 문고

と云う関係に尽きて居た。彼は近藤夫人に対して、何等の恩返しもしなかった。ただ夫人の恩恵を、真正面から受け、夫に対して純な感謝の情を、何時迄も懐いて居りたいと、思って居た。恩返しを試むる事は、或意味に於て恩を受けた者の、利己的な要求に基づいて居る事が多かった。恩を受けて居る事と、夫に対して感謝して居る事とに依って、其処に温い人情関係が作られて居る、若し恩を返してしまったら、其処に対等の関係が生じて、以前の人情関係は、消滅してしまうのだ。また恩を返すと云う事は、恩人に何等かの事件、災害、不幸が起る事を、前提としなければならなかった。従って、恩返しの機会を待つ事は、恩人に何等かの事変が起るのを待つのと、余り距たった心持ではないと、彼は思って居た。

こうした心持で、譲吉は恩返しなども、少しも念頭に置かなかった。支那の書物にある『大恩は謝せず』などと云うのと、殆ど同じ心持であった。只何時迄も、近藤夫人に対し、純な強い感謝の心を懐いて居たいと、譲吉は思って居た。其上夫人は譲吉に取って、過去の恩人であるばかりでなく、現在に於ても、譲吉の生活の、有力な保証者であった。