후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면
「それでは、もう一つ付け加えましょう、その人は目の見えない人です……どういう縁故でこの寺へ参りましたかは存じませぬが、今はこの寺にはいませんそうで……温泉へ行ってしまったそうです」
「まだわかりませぬ、もう少しお聞かせ下さいまし」
話が、それから進むと、お銀様は、ついに兵馬に向って、
「机竜之助」
の名を語らねばならなくなりました。そうでなくてさえ一語一語に、何かの暗示を強いられていた兵馬は、最後に「机竜之助」の名を聞いて、ながめていた白刃を伝って、強烈な電気に打たれたように振い立ちました。
「あ、それだ、その人ならば、あなたが尋ねる人ではない……」
兵馬の昂奮がお銀様を驚かしたのみならず、あわただしく刀を鞘に納めて、投げ出した行李を再びひきまとめて、
「私は、あなたと共に、その温泉へ行かなければならぬ、その温泉とはどこですか」
兵馬が最初の当途もない甲武信の山入りを放擲したのと、お銀様と共に、その未だ知られざる温泉へ、発足しようと思い立ったのとは同時です。
ここに運命の極めて奇なる因縁で、宇津木兵馬とお銀様とは、その翌日、行を共にして尋ね人のあとを追うことになりました。