일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면

아오조라 문고

「お帰りに、わたくしのところへ泊っていらっしゃいな」

これには急に挨拶ができませんでした。しかし、そこで駒井は、ああ気の毒なと感ずることができました。

この娘は、その風姿の示す通り、しかるべき家のお嬢様として、恥かしからぬ女性ではあるが、何かにとらわれて気が狂っているのだ。そこで、

「どうも有難う……」

駒井は愛嬌を以て答えると、娘はうれしそうに踏みとどまって、

「ほんとうに来て頂戴……待っていますから」

「行きます」

駒井はお世辞のつもりでいいました。

「きっと」

「…………」

深くは相手にならないがよいと駒井が思いました。常識を逸しているものを苟くも信ぜしめるのは、それを弄ぶと同じほどの罪であるように思われたからです。そこで駒井は自分から歩みを進めて、またも登りにかかりました。

登る途は、くの字なりになっていますから、次の曲りかどへ来ると、どうしても、以前の曲りかどを見ないわけにはゆきません。

以前の娘は、まだそこに立って、駒井の後ろ姿をながめているのと、ピタリと眼が合いました。

「きっと、いらっしゃい」

「行きますから、早くお家へ帰っておいでなさい」

駒井は早くこの娘を家へ帰してやりたいものだと思いました。