후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
「叱! 叱!」
お雪ちゃんは、この時、自分ながらわからない一種の勇気が出て、有合わせた薪の太いのを持って、群がる野良犬に向いました。
お雪ちゃんの、竹の棒の音に驚かされた野良犬は、それに一応の挨拶でもするように、一応は飛び退くけれども、忽ち盛り返して、以前のように棺に向って飛びつき、狂いつき、或いは蓋の外れを歯であしらって向うへ突きやり、その有様はどうしてもくっきょうの獲物――御参なれ、われ勝ちにという浅ましさのほかにはありません。
お雪ちゃんはあしらい兼ねました。全くこの犬共はお雪ちゃんの手には余るのです。
でも、犬共は、人間に対する敬意を以て、お雪ちゃんの小腕ながら、その振り上げた杖には、一応の遠慮をするだけはしますが、その影がこちらへ動けば、もう犬共はひっついて来ます。お雪ちゃんの振り上げる杖の瞬間だけに敬意を払って、それが戻るとすぐにつけ入ってしまいます。
「叱! 叱!」
お雪ちゃんをして、もう自分の力ではおえないと覚らしめて置いて、そのうちの最も獰猛なのがその策杖の二つ三つを覚悟の前で、両足を棺へかけて、鼻と口を、棺の中へ突込んでしまって、後ろに振動した尾を、キリキリと宙天へ捲き上げてのしかかっています。