후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
「おや、こりゃ犬じゃない、山犬じゃないか知ら、狼じゃないか」
お雪ちゃんが、その一頭の獰猛と貪婪ぶりに身の毛を立て、こう思ってたじろいだのも無理はない形相でしたが、事実は、やっぱり野良犬の一種で、狼や、山犬に属するものではなかったようです。ただ、飢えから来るところの不良性が、極度に、この動物を、獰猛と、貪婪と、残忍の色にして見せたものでした。いかに、本来温良なる家畜動物も、飢えと放縦とに放し飼いをすれば、それは猛獣以上の猛悪を現わすことはあります。
それと同じことに、いかに温和なる人間も、非常の時には、そうして、人間の権威を他動物に向って示さねばならぬ時は、別人と見えるほどの勇気を、どこからか持ち来すものと見えて、苟くも人間の死体の神聖を冒涜せんとする不良性動物の僭越と、兇暴とに対し、かよわいお雪ちゃんが、その全力を挙げて擁護の任に当らなければならない覚悟と、力とを与えられたことは、案外のものでした。
お雪ちゃんは、片腕にかかえていた薪を振捨て、片手に持っていた杖に全力をこめて、僅かに棺の中へ首を突込んだ山犬に似た奴を思いきり打ちのめして、さすがに驚いてハネ返ったところを、手早く棺の蓋を仕直して、しっかりと押え、そうして、早くもその手近にあった手頃の石――手頃の石といっても、ふだんのお雪ちゃんならば、ほとんど