후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 349,705자 · 678화면
六十四
「ワン」
その声は茂太郎の声。思いがけないところから起ったので、見上げるとマストの中程に上っていました。
「ツー、スリー、フォーア、ファイヴ、シキス、セヴン、エイト、ナイン……」
ここでとぎれて、暫くして、
「みんなで九つであります、九頭の鯨が押寄せたのであります、素敵! 素敵! 田山先生に描かせたいものだなあ」
多分この計算は間違いないでしょう、高いところにいて、ことに物を見る目の敏い茂太郎の勘定ですから、報告にあやまりないものと見てよろしかろうと思います。
九頭の鯨が、悠々として大洋を乗りきって行く壮観は、無名丸の船中を総出にして、手を拍たせ、眼をすまさせました。
日本沿岸の太平洋も、この頃はまだ捕鯨船の圧迫が烈しくなかったから、海のすべてを警戒しながら海を渡るの必要はなく、たまたまここに現われた、ほぼ自分たちと同形の無名丸の一隻の如きは、ほとんど眼中になく、ために鯨と船とが舷々相摩する形になって、南へそれて行くのがすばらしいものでした。もしこの船が鯨と同じ方向に、その中に挟まれて鯨の行く通りに遊弋することができたら、なお一層の愉快だと感ぜしめずにはおきません。