후리가나로 읽는 일본 고전
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てらだとらひこのついそう
寺田寅彦の追想
中谷 宇吉郎
中谷 宇吉郎의 寺田寅彦の追想(てらだとらひこのついそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,683자 · 40화면
よくボタンをかけないで、オーバーの裾をひらひらと風に靡かせておられた。辰野さんだったかの「群衆の中のベルグソン」という評がよく当るような姿であった。この年の初めには、既に『冬彦集』が出版され、引きつづいて『藪柑子集』が出ていたので、大学で時折り見受ける先生の姿は、一部の学生の注目をひいていた。
二年生になって、初めて先生の実験指導を受けた。題目はセキスタントの目盛の検定という極めて地味なものであった。物理本館の地下室のがらんとした暗い部屋の中に、セキスタントが一つ置いてあって、その円板を順次廻しながら、目盛を次ぎ次ぎと検定して行くという実験であった。暗室の中なので、手持の小さい電球で照らしながら、ヴァーニアの目盛を読むのである。先生は測定ということについて、いろいろな注意をされ、最後に電燈を右にやったり、左にやったりしながら「金属板に刻みつけた線の場合には、照明の方向によって、こんなに読みがちがうのだから」というような細かい注意までされた。その時は随分つまらない実験だくらいに思っていたが、後になって考えてみると、測定ということについて自分の意見らしいものを持ち得るようになったのは、この底冷えのする石造の地下室で、二カ月間こういう実験をしたお蔭が大分あるように思われる。