일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

浅野 和三郎의 小桜姫物語(こざくらひめものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 136,097자 · 267화면

아오조라 문고

尤もそれは現世での話でございます。こちらの世界には竜宮界のようなきれいな所がありまして、三浦半島の景色がいかに良いと申しても、とてもくらべものにはなりませぬ。

領主の奥方が御通過というので百姓などは土下座でもしたか、と仰っしゃるか……ホホまさかそんなことはございませぬ。すれ違う時にちょっと道端に避けて首をさげる丈でございます。それすら私には気づまりに感じられ、ツイ外へ出るのが億劫で仕方がないのでした。幸いこちらの世界へ参ってから、その点の気苦労がすっかりなくなったのは嬉しうございますが、しかしこちらの旅はあまり、あっけなくて、現世でしたように、ゆるゆると道中の景色を味わうような面白味はさっぱりありませぬ……。

こんな夢物語をいつまで続けたとて致方がございませぬから、良い加減に切り上げますが、兎に角弟橘姫様に対する敬慕の念は在世中から深く深く私の胸に宿って居たことは事実でございました。『尊のお身代りとして入水された時の姫のお心持ちはどんなであったろう……。』祠前に額いて昔を偲ぶ時に、私の両眼からは熱い涙がとめどなく流れ落ちるのでした。

ところがいつか竜宮界を訪れた時に、この弟橘姫様が玉依姫様の末裔――御分霊を受けた御方であると伺いましたので、私の姫をお慕い申す心は一層強まってまいりました。