후리가나로 읽는 일본 고전
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いけぶくろのみせ
山之口貘詩文集
山之口 貘
山之口 貘의 山之口貘詩文集(いけぶくろのみせ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,477자 · 93화면
つまり沖縄県なのだ。ぼくはその沖縄県の那覇市の生れで、那覇市は戦前の県庁所在地、現在は米国民政府と琉球政府と、日本政府の出先役所である那覇日本政府南方連絡事務所との所在地なのである。ぼくは明治三十六年の九月にその町に生れた那覇人で、沖縄流の発音でナフヮンチュである。つまり、ナフヮが那覇で、チュは人のことである。ついでに、本名は山口重三郎であって、幼名をサンルーと呼ばれていたが、つまり三郎のことなのである。
県下では那覇の東北へ一里の首里に第一中学校があった。いわゆる名門校である。ぼくの学んだ小学校は、甲辰尋常小学校で、六年生になると一中への受験準備をしなくてはならなかった。ぼくは優等生だったので、担任の先生も家族も一中への入学をきめ込んでいたらしいのだが、その期待を見事に裏切って落第し、家の中を憂欝なものにしてしまった。受験準備のつもりで、毎日机に向っているのであったが、頭のなかには一つ年下の少女の顔があるばかりで、勉強のはいる余地がなく、受験準備をしているふりで通した結果なのであった。
とは言っても、落第はぼくにとってもショックで、頭のなかの少女もたちまち掻き消されてしまって、次のときは受験準備も順調に進み、高等科一年をすませて一中への進学を遂げたのであった。