후리가나로 읽는 일본 고전
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
平林 初之輔의 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕(あるたんぼうきしゃのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,247자 · 229화면
動物園の一夜
一
一
樹立の青葉は、病後の人のように喘いでいる。
戦場に遺棄された戦死者のように四肢をだらりと投げ出してライオンが正体なく眠っている。虎も豹もごろりと横になって寝ている。孔雀は妍を競う宮女のように羽根をひろげて風の重みを受けておどおどしている。象は退屈そうに大きな鼻をぶらぶら振っている。大小無数の水禽のさざめき、蛇のように、長い頸をくねらして小さな餌をさがしてはついばんでいる駝鳥、檻の外には人間どもが、樹陰のベンチの上に長々と寝そべったり、のろまな足どりで檻から檻へと足を曳きずったりしている。
植物と動物と人間とが、差別を撤廃して、原始の生活に帰ったような上野の動物園の真夏の昼過ぎである。
二十年振りではいった動物園は、その当時と少しも変わっていないように私には思われる。少なくも東京の街区のあわただしい変化とくらべるとここは昔のままである。
ところでこの年月の間一度も動物園のことなど思い出したこともない私は何故こんなところへ一人ぼっちではいってきたのだろう? どう考えてみてもわからない。無目的で、無意識でいつのまにか、自然にこんなところへ来ていたものにちがいない。