후리가나로 읽는 일본 고전
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
平林 初之輔의 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕(あるたんぼうきしゃのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,247자 · 229화면
二
今では立派な熟練工で四円の日給をもらっているかたわら、城東労働組合の理事をしている。郷里には親類縁者は一人もないので、私はこの二十年の間一度も郷里へ帰ったこともなければ、郷里の人と音信をしたこともないのだ。
こういう全体的に至って散文的な私の境遇は、これから私が話す妙な犯罪――そうだたしかに一種の犯罪だ――に欠くべからざる条件なのだ。以上の条件が一つでも欠けていたら――たとえば私が鉄工でなくて官吏であるとか、私の両親が生きているとかしたら、私は恐らく死んでしまわなくともすんだであろう。
二
去年の春、議会が解散になって、普通選挙による第一回の総選挙が行われた当時、よほど注意して新聞を読んでいた人は船井三郎すなわちかくいう私が、某無産党の公認で、東京の第×区から立候補しそうな取り沙汰があったのが、いつのまにかうやむやのうちに沙汰やみとなったことをおぼえているだろう。私はその時、ただ、一身上の都合で立候補を断念すると簡単に声明しただけだったが、それには私だけしか知らない奇妙な事情が伏在していたのだ。
がんらい私は進んで自分から立候補する意志をもっていたのではない。