일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ようねんじだい

幼年時代・晩夏

堀 辰雄

堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면

아오조라 문고

私のごく幼い頃の、父の姿も、母の姿もあんなによく見慣れていた癖に、少しもはっきりと思い出せない。しかし、そのころ皆で一しょに撮った何枚かの写真の中の彼等の姿だけは、ときおりしかそれを取り出して見なかったせいか、いまでも私の裡にくっきりと――それだけ一層実在の人物から遠ざかりながら――蘇ってくるのである。震災で何もかも焼いてしまったそれらの写真には、大概、椅子に腰かけた母と、その椅子の背にちょっと手をかけながら立っている父との間に、小さな私はいつも口をきっと結んで、ちょこんと立っている。青い天鵞絨の帽子をかぶらないで、それを唯しっかりと手に握りながら。(その大好きな帽子なしには私は決して写真を撮らせなかった……)

それらのアルバムの中に、それだけ何んだか他のとは不調和なような気のする、一枚の小さな写真があった。それは私の母の若いときのだという、花を手にした、痩せぎすの女の肖像だった。おひきずりの着物をきて、坐ったまま、花活けを膝近く置いて、梅の花かなんか手にしている。……それが母の二十ぐらいのときのだという。が、小さな私にはどうしてもその写真の人が私の母だとはおもえなかった。