후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
引越した当時は、私の家の裏手はまだ一めんの芒原になっていて、大きな溝を隔てて、すぐその向うが華族のお屋敷になっていた。こちら側には低い生籬がめぐらされているだけだったので、自分より身丈の高い芒の中を掻き分けて、その溝の縁まで行くと、立木の多い、芝生や池などのある、美しいお屋敷のなかは殆ど手にとるように見えるのだった。ときおりその一家の人達がその庭園の中に逍ったり、その花の世話をしたりしているのを見かけると、私の胸には何とも云いようのない寂しい気もちと、それから生ずる一種のとりとめのない憧憬の心とが湧いてきた。
そういう自分たちのいる世界とは全く別の世界があるという発見は、もう一つの物語の世界の発見と相俟って、他のいかなる大きな現実の出来事よりも、私の小さな人生の上にその影響を徐々に目立たせて行った。
父はその芒の生えていた空地の一部を借りて、そこへ細工場を建て増すことになった。それは私がいつもこっそりと一人でさまざまな事を夢みていた隠れ場所を早くも狭めることになった。しかし、そういう子供たちの隠れ場所というものは、それが狭ければ狭いほど、ますます見つかりにくく、そして子供たちにますます愛せられるのだった。