후리가나로 읽는 일본 고전
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
堀 辰雄의 幼年時代・晩夏(ようねんじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 85,965자 · 169화면
そうしておばあさんは大抵私を数町先きの「牛の御前」へ連れて行ってくれた。そこの神社の境内の奥まったところに、赤い涎かけをかけた石の牛が一ぴき臥ていた。私はそのどこかメランコリックな目ざしをした牛が大へん好きだった。「まあ何んて可愛いい目んめをして!」なんぞと、幼い私はその牛に向って、いつもおとなの人が私に向って言ったり、したりするような事を、すっかり見よう見真似で繰り返しながら、何度も何度もその冷い鼻を撫でてやっていた。その石の鼻は子供たちが絶えずそうやって撫でるものだから、光ってつるつるとしていた。それがまた私に何んともいえない滑らかな快い感触を与えたものらしかった。……
その神社の裏は、すぐ土手になっていて、その向うには大川が流れていた。おばあさんはその土手の上まで私の手を引いて連れていってくれることはあっても、もしかして私が川へでも落ちたらと気づかって、いつも土手のこちらから、私にその川を眺めさせているきりだった。そうしていても、葦の生い茂った間から、ときどき白帆や鴎の飛ぶのが見えた……
子供の私はそれだけで満足していた。そして決して他の子供たちのようにおばあさんの手をふりほどいて、もっと川のふちへ行きたがったりして、おばあさんを困らせるような事は一度もしなかった。