후리가나로 읽는 일본 고전
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かげのないはんにん
影のない犯人
坂口 安吾의 影のない犯人(かげのないはんにん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,032자 · 23화면
番頭と云っちゃア気の毒だが、この番頭の風格。旅は気分の問題だからね。番頭で悪ければ、酒場には雇われマダムというのがあるから、雇われマスターでいいや。玄斎先生、七十になるそうだけど、老来益々色ッぽくなってきたよ。数年前から十六七のチゴサンの色気がにじみでてきたと思うんですがねえ。ここが剣術の玄妙なところかも知れないね。若年の時からのシシたる剣の苦労が、老年に至ると若侍の色気になってよみがえッてくるらしいな。若い娘にもてると思うよ。ひょッとすると十七八の女学生の恋人ができるかも知れないね。どうも、そういう予感がするよ」
狂六はふざけているのではないのである。彼は生れつき軽率に思いこみ、軽率に感動し、軽率に口走るヘキがある。剣術国禁で貧乏のドン底にある玄斎をおだててみたって、鼻血もでやしない。
「ねえ、三人で旅館をやろうよ。オレは駅へでて客ひきでも、なんでもやるよ。並木先生は風呂番でもするんだね。お客の背中を流しにでるとムラムラと誤診するから、湯殿の裏で湯加減の調節でもしてるんだな」
さて狂六が、目下大問題の重大なことを口走ったのは、この次の言葉であった。