일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かげのないはんにん

影のない犯人

坂口 安吾

坂口 安吾의 影のない犯人(かげのないはんにん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,032자 · 23화면

아오조라 문고

そこで並木先生はただちに三先生会談を召集したのであるが、この事件は他の二先生にとっても好ましからぬ意味があったのである。なぜなら、剣術の先生も彫刻の先生も、前山家の邸内に起居していた。というのは、前山家の先代はゼンソク退治のために剣術修業を志し、別荘内に道場を造って、そこに神蔭流の達人玄斎先生を居住せしめたからだ。講談本を読むと平手酒造が肺病患者であったような話はあるが、ゼンソク持ちの剣術使いの話はでてこない。してみると剣術がゼンソクにきくかも知れんというので思い立ったという話であった。

また、一作氏は幼少からビッコで、病弱で激務につけないから、お金もうけはもっぱら先代にまかせて、自分は風流の道にいそしんでいた。そのために、小学校中学校と同級生であった狂六先生を呼びよせて別荘内にアトリエを造ってやった。

この戦争で前山家の本邸は焼失し、また他の別荘や土地の多くは財産税で人手に渡って今ではこの別荘が残っているだけであるが、おかげをもって、玄斎狂六の二先生は殆ど収入もないくせに、この暮しにくい乱世をなんとなく今日まで生きぬくことができたのである。こういう事情であるから、並木先生の立入禁止が変に発展した場合には、彼らの唯一の安住の地を失う怖れがあったのである。